こんにちは!
テレビ東京の番組『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ』という番組で、全国の開かずの金庫の依頼を受けた番組が、鍵開け師に頼んで開けてもらうというものがあります。
視聴者的には大金やお宝がどっさり入っていて、「うおー!すげーーー!!」というのを期待してみているのですが、年代物の金庫や厳重に保管されているにも関わらず、苦労して開けた割に大体の中身は大したものが入っていないというオチだったりします。
中には年代物の古銭だったり古い資料なんかも出てくるのですが、それもちょこっと入っている程度のもので、だいたいは空っぽです。
歴史的には珍しい書類だったりするのかもしれませんが、視聴者的にはパッと見た感じでそれが価値があるものなのか分かりにくく、もっと分かりやすく資産的価値があるものはないのか?と思ってしまいますよね。
では、なぜ開かずの金庫の中身は大体空っぽなのでしょうか。
番組で出てきたお宝の中で、高額なものは今まで出てきたのでしょうか?
今回はその辺を調べてみたいと思います。
金庫の中身が大抵空っぽか大したことないのはなぜ?
一生懸命開けた金庫の中身が空っぽだったり、大したものが入っていないことが多いのはなぜでしょうか?
考えられる理由としては以下の通りです。
・いかにも大金が入っていそうな金庫に金品を入れるのは狙われやすく、リスクが高いため
・金庫の中に大量の金や証券が入っていた場合、資産と見なされて税務署から税の催促が届く可能性があるため、資産価値があるものが出てもカットされて取り出されている可能性がある
・あまりに資産価値が高いものが出てきた場合、その後盗難などの被害に合う可能性があるため放送できる範囲に留めている可能性がある
・古い土地の権利書等、個人情報の記載された重要書類が出てきた場合に放送できない可能性がある
・先代などが金庫を開けて中身を出してから使わなくなったため、番号の紙やカギを紛失したり、時間経過とともに錠が壊れたり錆びたりして開かずの金庫となった
・当時は資産価値があるもの(証券等)だったが、現在は価値がないものになってしまった
なんとなくこの辺りが妥当ではないかと思います。
大きく分けて【先代が中身を取り出して空のまま鍵紛失や開かなくなったパターン】と【お宝は入っていたが、何らかの事情によって放送できないパターン】ですね。
うーん、これが事実なら分かっていても視聴者的には残念ですね。
ところで過去に放送された開かずの金庫で出た最高額ってどのくらい何でしょうか?
『開かずの金庫』で出た過去最高額は?
色々調べてみましたが、具体的な金額が載っているものが少なく、高額お宝として2021年6月11日に放送された上野の老舗宝石商「藤田商店」さんの金庫を50年ぶりに開けた時に出てきた記念メダルが取り上げられていました。
金庫の中身は
・藤田商店の当時発行された大量の株券
・先代が趣味で集めたオリンピックの記念メダル(150万円相当)
・今はなき「松坂屋名古屋駅店」記念メダル(19万円相当)
・大量の古銭(本物であれば30万円相当)
と、本物であれば200万以上の価値があるお宝が出てきました。
古銭などはちょこちょこ開かずの金庫シリーズで出てきますが、その場ですぐに分かるものではなく、後日鑑定士による鑑定などが必要なため、時間がかかるのかもしれません。
古銭といえば、過去に石川県加賀市の富豪村で金庫を開けたところ、古銭の他に黄金の小判が出てきたこともありますが、本物なのか調査中となったままその後の情報は出てきていません。
偽物であった場合は視聴者の期待を裏切りますし、やらせともとられかねません。
仮に本物であった場合も防犯のために公表しないのでしょうか・・・?
真相は番組スタッフと依頼者のみぞ知る・・・。
『開かずの金庫』で出た過去最多は何品?
ちなみに開かずの金庫で出た過去最多の品数は何品なのでしょうか?
調べたところ、兵庫県宍粟で一番古い酒造「老松酒造」さんで、開錠された金庫を開けて出てきた品は520点以上。
両開きの扉を開けるとびっしりと品物が入っていましたが、そのほとんどは資料類でした。
具体的に何が入っていたかというと
・酒造許可証の木札(幕末時代のもの)
・米の取り扱い許可証の木札(江戸時代のもの)
・土地関連の裁判記録(大正時代のもの)
・創業記念や品評会などの賞として頂いた金杯、銀杯など
・取引内容の勘定帳
・6代目が残した酒造日記や旅行日記
・相続税の書類や手紙
・老松酒造の昔の株券
・富裕税の申告書(昭和27年¥29,510の納付書→現在の価値だと179万円)
等々たくさんの書類関係が出てきました。
どれも当時の重要書類だったのでしょうが、古くて現在の価値はありません。
この結果に依頼者の老松酒造11代目の前野さんは、ちょっと残念そうで声が小さくなっていました。(笑)
『開かずの金庫』でよく出てくる帳簿は財産より大事なものだった!
よく開かずの金庫を開けて出てくるものの一つに当時の取引先の一覧や勘定帳が出てきます。
皆さんは「大福帳」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
大福帳とは顧客名簿のことで、江戸時代や明治時代に商家で使われていました。
江戸時代には売掛がありましたので、年末などにまとめてお金を回収することもあり、お金の記録は商売をする人にとって何よりも大事なものでした。
昔は木造建築で火災も多く、数年に一度は大火もありました。
そのときに商家の番頭は、火消しをするでもなく、大判小判や家財を持ち出すわけでもなく、まずは大福帳を守ります。
具体的にどうするのかというと、大福帳を特殊な和紙と油脂で固く結び、井戸に投げ入れます。
和紙は水に濡れても丈夫で、更に落ちにくい墨で帳簿を記載し、井戸に投げ入れることで火事からも帳簿を守ることができるのです。
そして自分は身一つで逃げ、火事が収まった頃に戻ってきて、井戸から大福帳を引き上げます。
そして書かれている取引先に品物が燃えてしまったお詫びとして1軒1軒挨拶回りをします。
そうすると、またお客さんが商品を買ってくれるので、家(店)や商品、お金が焼けてしまっても、大福帳があれば商売を立て直すことができました。
このような経緯が歴史上にはあり、昔の金庫にはお金よりも顧客名簿や権利証や商売許可証などが大事にしまわれていたのです。
これは昔に限ったことではなく、今でも大事なものなので変わりないはずなんですが、どうしても視聴者側からすると、分かりやすい価値を求めてしまいがちですね。
しかし、こういう背景を知っていると、古い金庫には歴史が詰まっていて当時の面影を知ることができて面白いですね。
まとめ
金庫の中身が大抵空っぽか大したことないのはなぜ?
大きく分けて【先代が中身を取り出して空のまま鍵紛失や開かなくなったパターン】と【お宝は入っていたが、何らかの事情によって放送できないパターン】が考えられる。
あとは【当時は資産的価値があった(株券など)が、現在はなくなってしまったパターン】も考えられる。
『開かずの金庫』で出た過去最高額は?
2021年6月11日に放送された上野の老舗宝石商「藤田商店」さんの金庫から、先代が趣味で集めた記念メダルや古銭(200万円相当)が出てきた。
『開かずの金庫』で出た過去最多は何品?
兵庫県宍粟で一番古い酒造「老松酒造」さんで、開錠された金庫で520点以上の品々が出てきたが、ほとんどは当時の書類だった。
『開かずの金庫』でよく出てくる帳簿は財産より大事なものだった!
昔は木造家屋で火事が多く、隣との家の距離も近かったので、火事が起きればすぐに燃え広がっていた。
火事が起きると火消しや家財を運ばず、一番大事な帳簿を井戸に投げ入れて逃げていた。
帳簿さえあれば、家や商品やお金がなくても昔は何度でも商売を蘇らせることができていた。
開かずの金庫を開けることによって当時の思い出や、どうやって店が続いてきたのかというルーツを知ることができて、依頼者は結構満足そうな顔をしている方も多いですよね。
とてもいい話ですが、我々視聴者はいつか開かずの金庫から金銀財宝が出てくることを期待しています。(笑)
以上、ataruでした。
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