こんにちは。
『マツコの知らない世界』で自衛隊メシが紹介されましたね。
自衛隊メシと言えば、よく聞くのが海軍のカレーが有名ですが、陸上自衛隊のホームページを見てみると、陸自飯グランプリなるものまで開催されているんですね。
しかもかなり美味しそう。
しかし、実際の自衛隊で出るご飯って本当に美味しいのでしょうか?
また、陸軍、海軍、空軍の中で一番おいしいとされる自衛隊飯はどこなのでしょうか?
それぞれの自衛隊飯の特徴
陸軍=ミリ飯
陸上自衛隊といえばミリ飯。
ミリ飯とは、軍隊や自衛隊で支給される携帯保存食や料理のことで、クッキー、缶詰のパスタ、シチュー、レトルトパックのステーキのほか、自衛隊ならタクアンの缶詰というふうにそれぞれのお国柄が反映されています。
ミリタリー(軍隊)のメシの略語が「ミリメシ」です。
昔は缶詰に入っていたので「カンメシ」とも言われていますが、現在は製造終了となり、「パックメシ」と言われるレトルトになっています。
とはいうものの、陸上自衛隊の人がミリ飯をいつも食べているわけではなく、普段は駐屯地内の食堂や喫茶店、売店などで食べるか、外出できる隊員は外で食べたりもします。
訓練の関係で食堂で食事ができない時や厨房整備で食堂が休みの時などにカンメシが支給される場合があるそうです。
気になるカンメシの味はというと…美味しくないそうです。
いうなればレトルトご飯と缶詰を食べているようなものなので、非常食としては優秀ですが、食事として食べるのは味気ないですよね。
カンメシに取って代わったパックメシと比べると、パックメシの方が美味しいようですが、普段の温かいご飯と比べるとおいしいものではないそうです。
そんな感じでミリ飯=マズイというイメージがありますが、パックメシに変わったことで昔よりはマシになっているようですよ。
更に、昔は駐屯部隊から数人づつ出張のような形で糧食班で調理をしていたので、言ってみれば素人の料理だったようですが、今はほとんどの駐屯地では民間の業者に調理を外注しているので、そんなにひどいことはないようです。
また、ここ数年の自衛隊飯ブームのためにそれぞれの駐屯地が力を入れて特集を組んでいたり、ご当地の食材を使ったメニューもあるようですね。
海軍=カレー
海上自衛隊といえばカレー。
なぜカレーなのかというと、明治当初、日本海軍は慢性的な栄養不足から脚気(かっけ)に悩まされており兵食改革が課題でした。
そんな中、イギリス海軍で採用されていたカレーは、栄養豊富・大量調理が容易・美味しいと3拍子揃っており、スパイスをふんだんに使っているため医学的見地からも健康効果が期待されて日本でも採用されました。
よく言われる「曜日感覚を忘れないため」にカレーを食べるのは、いつの間にか週末にカレーを食べるのが規則的に習慣化したようです。
戦後、週休2日制が導入されてから、それまで土曜日に食べていたのが金曜日に変更されたようです。
よく言われているのは、海軍の食事は陸軍や空軍と比べて美味しいと言われています。
基地の食事は大差がないものの、艦艇の食事が美味しいらしく、これは出港すると楽しみが食事くらいしかなくなるためとも言われています。
また、艦艇は外国に寄港した際に来賓をもてなす際、豪華な料理で会食するのが大きいためとも言われています。
会食には日本の威信がかかっているので、調理員は平素から調理訓練をかかさず、普段の食事にも成果が反映されるという訳です。
とくに会食の機会が多い、いずも、かしまなどの調理員は精鋭部隊です。
各自衛隊のホームページを見比べても、海上自衛隊のサイトは「艦めし」として、250種類の料理と作り方が載っています。
特に印象的だったのが他の自衛隊のサイトには無いスイーツレシピが豊富にあるということ。
サイトを見比べても他の軍と比べて、食事にかなり力を入れていることが分かります。
海軍は食事の予算が高い?
陸上自衛隊の食費は1日あたり900円、海上自衛隊の護衛艦と潜水艦の食費は1日あたり1,100円となっています。航空自衛隊の食費は調べても出てきませんでしたが、陸上自衛隊とほぼ変わらないと推測します。
なぜ海上自衛隊だけ食費の予算が高いのでしょうか?
それは海上自衛隊の潜水艦勤務は過酷と言われているためです。
狭い空間で日常を過ごさなくてはいけないため、ストレスがかかりやすいと言われているため、食事に気を遣って作られています。
潜水中は長い時間太陽の光に当たらないため、ビタミンD不足になりやすいため、白米にビタミンDを混ぜて炊いたりしているそうです。
海軍の食事が豪華な理由は他にもあります。
艦艇では総員が無料喫食の対象となっており、乗組員数に応じて食材費が割り振られます。
しかし、母港停泊中、妻帯者は夕食を艦で取らずに家に帰って食べることが多いので、その食材を昼や出港中に回したり、予め購入する食材の量を減らしてワンランク上の食材を仕入れることができるのです。
陸上基地では独身などの営内者しか無料喫食の対象とならず、妻帯者などの営外者分の食費割り当てがないため、食材費はギリギリです。
さらに他部隊から出張者がきても追加の食材費は付与されないため、元々の割り当て食材を遣り繰りして食事を出すことになります。(そこは艦艇部隊でも同じ)
空軍=空上げ
航空自衛隊の代表食は空上げ(唐揚げ)です。
今まで航空自衛隊の代表食はなかったようです。
しかし、陸軍のミリ飯本が出版されたり、海軍のカレーイベントが大盛況だったりと、スポットライトを浴びることなく見続けてきた空軍も、ついに「定番料理を作り、空自統一の食文化として普及させる!」と作り出されたのが「空上げ(唐揚げ)」です。
そして全国の基地ごとにオリジナル空上げを提供するようになったと言われています。
航空自衛隊のサイトにも、全国のオリジナル空上げのレシピが公開されていますので、ご家庭でも参考に作ってみても良いかもしれません。
おかわりは禁止?
食料を用意するのは給養班の役目ですが、作りすぎ(残飯)を減らすために必要な人数分だけを用意します。
勝手に「おかわり」されると食べられない人が出てくるかもしれませんので、「おかわり」は基本的にできません。
加えて基地外居住をしている幹部自衛官が基地の食堂を利用する際は「食費」を払わなければなりません。パン1枚とはいえ国の予算で購入するので、タダ飯行為は処分の対象となりえます。
とはいえ人それぞれ食べる量は違いますので、ご飯は自由に盛り付けることができます。大盛りにしたからと言って咎められることはないので、基本的にたくさん食べたい人はおかわりというより大盛りにします。
ご飯を大盛りにすると、おかずが足りなくなるので、そんなときは「ふりかけごはん」にするそうです。
過去にニュースになったこともありますが、食堂のパンや納豆を決められた数以上取って航空自衛隊3佐が10日間の停職処分になったことがありました。
たくさん取ってしまうと食べられない職員が出てしまうので、その辺は厳しくチェックされているのかもしれませんね。
とはいえ、食堂で食べる申請をしている隊員が基地内の喫茶店やコンビニで済ませて食べないこともあり、食事が余ることもあります。
その場合は契約している農家に引き取ってもらい、家畜の餌として再利用されるそうです。
自衛隊飯は一般の人は食べることはできる?
自衛隊の駐屯地内にある食堂や喫茶店は一般の人は利用できるのでしょうか?
残念ながら基本的に利用できません。
一般の人は「面会」という形で入門できますが、駐屯地内に知り合いがいないと入れませんし、食堂を利用する人数が決まっているので、食堂を利用することはできません。
もし食べる機会があるとするなら、駐屯地基地見学を事前に申し込めば有料で食べることができます。
その他に自衛隊関連のイベントや防災関係のイベントで炊き出しをしていることがあるので、そこに行けば食べることができるでしょう。
陸海空一番ウマい飯はどこ?
食費やメニューの豊富さを考えると海上自衛隊の食事が一番おいしいという結果になりました。
とはいえ、同じ駐屯地でも栄養士が変わったら味も品数も変わってしまった!という声も聞きます。
駐屯地は規模が様々で小さい処と大きい処では一人当たりで同じ予算なら大きい処の方がまとめて買い付ける量が違うのでいいものが出せますし、小規模な駐屯地は予算的に厳しいですが、逆に手の込んだメニューを出せる余地があります。
結局は駐屯地や基地の栄養士の腕次第ということですが、そういう意味でも外国に寄港して会食の機会が多い海上自衛隊の調理員は精鋭部隊が集められているため、おいしいと言われるのも納得です。
まとめ
それぞれの自衛隊飯の特徴
陸上自衛隊…代表食『ミリタリー飯(ミリメシ)』
軍隊や自衛隊で支給される携帯保存食や料理のことで、クッキー、缶詰のパスタ、シチュー、レトルトパックのステーキのほか、自衛隊ならタクアンの缶詰というふうにそれぞれのお国柄が反映されている。
昔は缶詰だったが、最近はレトルトのパックメシになり、味も品質も向上してきている。
毎回ミリメシを食べているわけではなく、普段は駐屯地の食堂で普通のご飯を食べている。
ホームページには陸自飯グランプリと称して各駐屯地の人気メニューが部門ごとに紹介されている。めっちゃ美味しそう。
海上自衛隊…代表食『カレー』
海上自衛隊の護衛艦と潜水艦の食費は1日あたり1,100円と自衛隊飯の中でも一番高い。
過酷な訓練で、ストレスを溜めやすいため、食事に気を遣っているためと言われている。
また、金曜日の昼食がカレーなのは曜日感覚を忘れないためと、栄養豊富で大量に作りやすいという観点からきている。
他の自衛隊より料理が豪華で美味しい理由は、外国に寄港した際に来賓をもてなす際、豪華な料理で会食するのが大きいためとも言われている。
ホームページでも「艦めし」として250種類以上のレシピが載っており、特に他自にはないスイーツメニューも豊富。メニューもなんかおしゃれなのが多い。
航空自衛隊…代表食『空上げ(からあげ)』
陸自、海自と比べて食事メニューは今まであまり力を入れていなかった模様。
陸自のミリメシ本や海自のカレーイベントが好評なのを見て、他の2自に負けまいと駐屯地ごとにご当地空上げを作ってPRしている。
隊員に要望を聞いたり、メニュー改革がされている。
陸海空一番ウマい飯はどこ?
意見が多いのは海上自衛隊のご飯が一番おいしいということだったが、結局は駐屯地や基地の調理員の腕が大きく影響している。
外国に寄港して会食の機会が多い海上自衛隊の調理員は精鋭部隊が集められている模様。
自衛隊飯は一般の人は食べることはできる?
自衛隊の駐屯地に一般人は入ることは基本的にできない。
隊員に知り合いがいると「面会」という形で駐屯地内に入ることはできる。
自衛隊飯を食べるには、駐屯地見学を事前申し込みしておけば有料で食堂のメニューを食べることができる。
その他自衛隊関連のイベントや防災関係のイベントで炊き出しをしていることもあります。
いかがでしたか?
普段あまり知ることができない自衛隊の食事事情ですが、こうしてみるとそれぞれの特徴が出ていましたね。
機会があれば私も自衛隊飯を一度食べてみたいです。
以上ataruでした。
最後までお読みいただきありがとうございます。
コメント