こんにちは。ataruです。
今日は直近で話題になっている埼玉県議会の自民党県議団による法令
「子ども放置禁止条例」とその取り下げ報道について所感を書きたいと思います。
>埼玉県議会の自民党県議団は10日、9月議会に提出していた、
>子どもだけでの留守番などを放置による虐待と定める「虐待禁止条例」の
>改正案を取り下げると発表しました。
2023年10月10日発表
子ども放置禁止条例案とは?
まず、子ども放置禁止条例とはそもそもどの様なものか?についてですが、
これは2023年9月に埼玉県の議会で提出されていた虐待禁止条例の改正案です。
この改正案に「子どもだけでの留守番などをさせること=放置による虐待と定める」
という内容が定められていて、多くの子育て家庭から反対意見が多く
全国レベルで物議をかもしていました。
□具体的には
・小学3年生以下の子どもについては、自宅などに1人で放置することを禁止する
・小学4~6年生の子どもについては、なるべく1人にしなよう努力義務とするという内容です。
□さらに「放置する」という具体的な行動の定義には驚くことに
・子供だけで公園へ遊びに行くことも×
・自宅での1人で留守番も×
・小学校低学年の児童だけでの登下校(集団登下校)も× …ということです。
なんと集団登校も×です(驚き)
多くの家庭から「…これは対応できない!」と反対意見が多く波紋が広がっていました。
その結果、10月13日に改正案の取り下げが決まりました。
ちなみに議員提出の条例案で委員会で可決された後に
撤回されるケースは今回が初めてだそうです。
本来は2023年10月13日に可決予定だった?
この条例は
・2023年10月4日に埼玉県議会に提出
・2023年10月6日の県福祉保健医療委員会では「賛成多数で可決済」
・2023年10月13日に議会 で本可決予定でした。
しかし、その内容の無茶苦茶ぶりが全国ニュースで取り上げられて話題になり
おかしい。対応出来るわけがない。全国ネットなどで取り上げられて
オンライン上でも反対署名活動が行われていました。
(反対の署名数は数万件以上)
では具体的にこの条例がどのような内容であったのか?
もう少し内容について掘り下げてみていきます。
子ども放置禁止条例案が可決されていたら、何が×になるのか。
この条例には
・児童を住居、その他の場所に残したまま外出すること、その他の放置をしてはならない」
とあります。具体的に何が×になるのでしょうか。
まず対象は小学3年生以下の子どもです。
年齢でいうと~9歳までです。
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例1:9歳の子ども(小学3年生)が、子どもたちだけで3人で公園で遊ぶ。
→放置とみなされ×になるそうです。
例2:8歳の子ども(小学2年生)が、親が買い物にいく間に自宅で1人で留守番をする。
→放置とみなされ×です。
例3:9歳の子どもと7歳の子どもが、2人で一緒に学校に登校する。
→これも×です。
さらにこれらの違反を発見した人には通告・通報の義務があるとのことで
これらの放置を見つけた人は速やかに県に通報ください。という内容です。
※ちなみに違反しても罰則はないそうですが。
実際に子育てをされている方ならすぐにわかると思います。
これがいかに現実離れしている内容であることが。
一般的な子育て家庭の環境・状況を全く考慮していない
この条例案は10月6日の県福祉保健医療委員会で「賛成多数で可決済」でした。
どういった理由で賛成多数になったのか?が甚だ疑問です。
例えばですが、小学校低学年の子どもがいるシングル家庭の人はどうするのでしょう。
1人でお留守が×ということは親は1人では買い物にも行けません。
小学生だけて登下校が×となると
親が毎日、子どもの登下校に一緒に行くのでしょうか。
共働きが多い現在の家庭環境ではほとんど不可能だと思います。
また、最近では小学生の預け先として学童保育の利用を希望しても
なかなか入ることができないということも報道されています。
親の仕事が終わるまで子どもを学童で見てほしくても
そもそもなかなか学童には入ることができません…。
このように、すぐに思いつく幾つかケースを考えても
常に子供を大人が見ている環境は簡単に用意できないことが容易に想像がつきます。
これらの家庭環境を考慮せず、
ただ一方的に子供だけで放置するな!それは虐待だ!と言われても
じゃあ一体どうすればよいの?となるのは当然でしょう。
説明不足が原因で炎上。子育て世代の実態を考慮すべき。
そもそもこの条例が提案された目的は
近年、子どもが自宅や車内に放置されて死亡していまう事故が増えているため
このような事故を減らしたいということが目的でした。
この目的に反対する人は誰もいないと思います。
しかし、実際は「子どもを1人放置=虐待」という部分だけに焦点があたり
炎上してしまいました。
そもそも親だけで子供を見守るには限界があります。
子どもを長時間放置したくてしている親はいないはずです。
仕事や様々な理由によって1人にせざるを得ない時間が出来ているというのが現実でしょう。
なので地域全体で子どもを見守るようにするにはどうすればよいか?
例えば学童施設の拡充など、地域全体の環境整備も含めての提案ならまた違った
結果になっていたかもしれません。
また、そもそもこのような案が世に出る前に
議論の中でこれは無理があると問題にならなかったのか?という点に
政治家と市民との認識に大きく乖離があるように感じてしまいます。
子どもが安心して育てられる環境には何が必要で、何が問題なになっているのか
今後は当事者(子育て家庭)の声をしっかり聴いて、
改正案を出してもらいたいものですね。
以上、ataruでした。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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